現在、SESで働いている方で、今の状況を変えたいと考えている方は必見!
- IT業界のことが分からずに就職したら、SES企業だった。
- SESで働き始めた当初は気付かなかったが、SESへの就職は失敗だったような気がする。
- 「自分はSESに向いていない」と思うようになり、仕事がつらい。
SESで働いているエンジニアの多くは、同じ悩みを抱えています。
このページでは、それらの悩みについて対処方法を解説しています。
ITエンジニアとしてのキャリアアップにもつながりますので、ぜひご一読ください。
SESはつらいと言われる理由
「SESはつらい」と言われる要因には、下記の9つがあります。
スキルアップできない |
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労働環境が悪い |
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報酬が低い |
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精神的にきつい |
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1.中長期的なキャリアプランを立てることができない
SIerの場合、新入社員研修でプログラマとして必要なスキルを修得し、プロジェクトで実務経験を積みながら設計や要件定義のスキルを身に着け、将来のプロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーに向けてステップアップしていきます。
そのため、SIerの正社員というだけで、スキルアップできる環境が整っています。
一方、SESエンジニアの主な業務は、プログラミングやテストなどの下流工程がメインです。
SES企業の社員として働く以上、プログラマとしての豊富な経験を積んでも、上流工程に携わることは難しいと言えます。
原因はSESのビジネス構造にあります。
SIerのエンジニアがプログラミングを行うのは、入社1、2年目の若手エンジニアが大半で、3年目以降になると、設計や要件定義などの上流工程に移行します。
そのため、SIerではプログラマが不足するので、プログラミングできる人材を外部から調達します。
それがSESエンジニアです。
SIerがSESに求めているのは「プログラミングできる人材」であるため、SESエンジニアの作業は「プログラミング」「テスト」がメインとなります。
2.案件を自分で選ぶことができない
案件を自分で選ぶことができるSESエンジニアはごく一部です。
大半のSESエンジニアは、営業が取ってきた次の案件(常駐先)にアサインされます。
- Web系の開発プロジェクトで働きたい。
- クラウドなど最新技術に携わりたい。
- 保守案件でなく、新規開発案件で働きたい。
- ワークライフバランスを重視したい。
- 通勤時間は1時間以内が希望。
このような希望があっても、会社都合で案件(常駐先)が決まります。
もし、あなたの希望を優先して、あなたが希望する案件が取れるまであなたを社内待機させていた場合、その間、SES企業には1円も入ってきません。
SESのビジネス構造上、会社都合で案件が決まるのは、仕方のないことです。
3.社内研修が整備されていない
求人に未経験歓迎と掲載されていても、プログラミングなどのIT研修が整備されていないSES企業もあります。
そのようなSES企業の場合、プログラミングなどのスキルを修得する前に客先常駐となるため、ITエンジニアとは程遠い作業に割り当てられるケースもあります。
- 打ち合わせ議事録の作成
- 資料の整理
- 単純なテスト作業
- データ入力
- 手順がマニュアル化されたルーティンワーク
システム開発のプロジェクトには、このような泥臭い作業もあり、誰かがしないといけない作業です。
しかし、このような作業からプログラミングなどのスキルが身に付くはずもなく、就業後や休日に独学で修得する必要があります。
SIerなどの大手IT企業の場合、社内のIT研修が充実しているので、業務に必要なスキルを修得することができます。
新人研修 |
対象者 :新入社員(プログラマ) 研修内容:システム開発の基礎知識(プログラミングなど) |
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SE研修 |
対象者 :入社2〜3年目(システムエンジニア) 研修内容:上流工程に必要な知識(要件定義やシステム設計など) |
リーダー研修 |
対象者 :入社5〜8年目(プロジェクトリーダー) 研修内容:プロジェクトリーダーに必要なスキル(プロジェクト管理や後輩育成など) |
4.新人エンジニアを育てる環境が整っていない
SIerなどのIT企業は、SES企業に対してお金を払って、ITエンジニアを派遣してもらっています。
SIerが欲しいのは、ITエンジニアの技術力です。
SES企業のITエンジニアを教育するために、お金を払っている訳ではありません。
そのため、常駐先(SIer)のエンジニアは、SESエンジニアを教育してくれません。
また、常駐先の同じプロジェクトに、自社(SES企業)の先輩エンジニアがいる場合もありますが、教育してくれるかは期待薄です。
SESエンジニアの場合、帰属意識や愛社精神を持つエンジニアは少なく、フリーランス的な考えを持つエンジニアが多いためです。
- 自分の作業をこなすのに一杯一杯で、後輩エンジニアを教育する余裕がない。
- 後輩エンジニアを教育して、一人前のエンジニアに育てても、自分が評価される訳ではない。
- 自分の評価につながらないのであれば、後輩を教育するメリットがない。
- 同じプロジェクトで働いているのは今だけ。SES契約が終了すると、お互いに別のプロジェクトにアサインされる。
- そのため、後輩のために時間を使うぐらいなら、自分のために時間を使いたい。
5.腰を据えて、作業ができない
SESエンジニアは、SES契約が終了すると、次のSES案件に移ります。
同じ常駐先の別のプロジェクトということもありますが、常駐先の企業が変わることもあります。
そのため、「やっと、このプロジェクトに慣れてきたのに・・・」というタイミングでプロジェクトが変わることになります。
プロジェクトや常駐先の企業が変われば、ゼロから人間関係を構築する必要があり、「SESはつらい」と言われる要因の一つとなっています。
6.勤務時間が長い
働き方改革により、SIerなどの元請け企業の労働環境は改善されていますが、二次請け、三次請けのSES企業の労働環境はまだまだの状況です。
特につらいのは、炎上プロジェクトにアサインされた時です。
スケジュール管理などのプロジェクトマネジメントは元請けのSIerが行うので、SESエンジニアはSIerが決めたスケジュールに従い、作業を進めます。
初めてそのプロジェクトに配属され、開発環境やシステムの仕様など何も分からない状態なのに即戦力として期待され、「初日から深夜残業」「毎週休日出勤」という日が数ヶ月続くことも。。。
自社(SES企業)の売上には貢献できますが、自分の体はボロボロになります。
7.給料が安い(上がらない)
ITエンジニアの給料は、担当する工程によって決まります。
プログラミングやテスト、保守・運用を担当するエンジニアの給料は安く、
- 内部設計/プログラム設計
↓ - 外部設計
↓ - 要件定義
↓ - プロジェクトマネジメント
↓ - 企画・提案
のように、上流工程になればなる程、給料は上がります。
前述の通り、SIerの場合、社内の人材育成制度が充実しており、年齢に応じてキャリアアップできるため、給料が上昇する仕組みになっています。
しかし、SESエンジニアの場合、スキルアップできません。
SESエンジニアは経験を重ねても、担当する業務は「プログラミング」「テスト」など下流工程の作業がメインです。
給料が上がるはずがありません。
SES企業もその事は分かっていますが、SESというビジネス構造上、給料を上げる方法はありません。
近年、オフショアを導入するIT企業も増え、外国人エンジニアとの価格競争になっています。
ベトナム、フィリピン、ミャンマー、中国などのオフショア先は、日本より給料水準が低いため、低賃金でエンジニアを雇用することができます。
そのため、今後もSESエンジニアの給料は上がりにくい状況が続くと考えられています。
8.孤独感を感じる
SESエンジニアから見た場合、常駐先のプロジェクトにいるエンジニアは、自分(SES企業)のお客様です。
常駐先のエンジニアが楽しそうに雑談をしていても、その輪の中に入ることができず、孤独感を感じます。
SESエンジニアが帰社(SES企業に出社)するのは、業務報告を行うタイミングだけ。(月1回程度)
忙しすぎて帰社できないず、1年間、同期に会っていないってことも。。。
そのため、同じ悩みを抱える同僚と悩みを共有することもできず、孤独感を感じるSESエンジニアは多くいます。
9.将来が不安
- スキルアップできない。
- 給料が上がらない。
- 年齢が上がると、配属されるプロジェクトが少なくなる。
SESエンジニアの場合、同じスキルなら若手エンジニアの方が圧倒的に需要が高いです。
特にプログラマの場合、その傾向は顕著に現れます。
- 最新技術にも適応しやすい20代のプログラマ
- 熟練の40代プログラマ
あなたがSIerのプロジェクトマネージャーだった場合、どっちのSESエンジニアを採用しますか?
私がSIerのプロジェクトマネージャーなら、前者(20代プログラマ)を採用します。
あなたの会社(SES企業)に40代、50代のエンジニアはいますか?
定年までその会社で働くのが難しいと思ったら、転職することを考えた方が良い。
このページの後半には、おすすめの転職エージェントなど転職成功ポイントを解説していますので、ぜひご一読ください。
SESに向いていない、つらい、辞めたいと思った時の対処法
自社(SES企業)に上司に相談する
まず、自社(SES企業)の上司に相談することを考えましょう。
しかし、根本的な解決は難しいです。
上司に相談しても、上司ができることは、常駐先を変更することぐらいです。
- 常駐先のプロジェクトを変更して、あなたの悩みは解消できますか?
常駐先を変更することにより、今の悩みを解消できたとしても、SESは案件ガチャである以上、また同じような悩みを抱える案件に当たる可能性があります。
そのため、根本的に解決するなら、転職しかありません。
SES業界では、「案件ガチャ」という言葉があります。
・SES案件には「当たり」「外れ」がある。
・SES案件を自分で選ぶことができない。
・どの案件にアサインされるかは運まかせ。
※「ガチャ」の由来は、カプセル自販機「ガチャガチャ」です。
SESのつらさを解消したいなら、転職がベスト!
SESのビジネス構造上、SESのつらさを解消することはできません。
あなたがSESのつらさを解消したいなら、解決策は転職しかありません。
経済産業省によると2030年には最大79万人のIT人材が不足する(*)と言われています。
(*) 出典:IT人材需給に関する調査(2019年3月)
ITエンジニアにとって、転職できる環境は整っています。
あと必要なのは、あなたの決断だけです。
- 今のつらい状況のまま、定年まで働きますか?
- 今の会社には、40代、50代でエンジニアとして働いている方はいますか?
- あなたが40代、50代になった時、今の会社で働いていることを想像できますか?
転職活動は1〜3ヶ月程度です。
3ヶ月頑張るだけで、今のつらい状況を抜け出すことができます。
IT業界には、「プログラマ35歳定年説」があります。
SIerの場合、入社して1〜2年はプログラマとして従事し、3年目以降、設計や要件定義などを行うシステムエンジニアにキャリアチェンジするので、無縁の話です。
しかし、SESエンジニアの場合、必ず直面する問題です。
あなたの会社には、一線でプログラミングを行っている40代・50代のエンジニアはいますか?
定年までSES企業で働こうと思うと、定年までプログラミングを続ける必要がありますが、年齢とともにプログラミング能力は低下するので、現実的には難しいです。
そのため、いずれは転職を考える必要があります。
SESエンジニアにおすすめの転職先
あなたはどのようなエンジニアになりたいですか?
あなたが描くキャリアプランによって、転職先は異なります。
目指すエンジニア像 | 転職先 |
---|---|
プロジェクトマネージャー プロジェクトリーダー 上級システムエンジニア |
SIer |
ITコンサルタント | コンサルティングファーム SIer |
社内SE | ユーザー企業 |
システム開発のプロジェクトで、PMやPL、上級SEを目指したいなら、SIerがオススメ。
ITコンサルタントを目指したいなら、コンサルティングファームかSIerがオススメ。
意外かも知れませんが、社内SEもオススメです。
社内SEの担当業務は企業により異なるため、マネジメント志向のエンジニアにも、技術志向のエンジニアにもマッチした求人があります。
- システム開発・運用をSIerなどのITベンダーに外部委託している企業の場合、社内SEに役割は「プロジェクト管理」や「ベンダー管理」がメイン。
- システム開発・運用を外部委託せず、内製化している企業の場合、社内SEが「要件定義」「設計・開発」から「運用・保守」まで担当します。
SESエンジニアが転職を成功させるポイント
退職理由を再確認し、転職後のイメージを想像する
- 退職理由を再確認し、どのような企業に転職したいですか?
- その企業に転職して、どのようなエンジニアを目指したいですか?
転職活動の一歩目です。
退職理由を再確認し、転職後のエンジニア像を描くことにより、転職活動のモチベーションにもつながります。
転職は早い方が有利
- 3年間、SES(客先常駐)で働いて得られるスキル
- 5年間、SES(客先常駐)で働いて得られるスキル
- 10年間、SES(客先常駐)で働いて得られるスキル
プログラミングやテストなどの下流工程を担当している以上、経験年数に関わらず、SES(客先常駐)で得られるスキルは同じです。
年齢が高くなればなるほど、設計スキルやマネジメントスキルが求められるため、転職は早い方が有利です。
今から転職活動を始めても、遅くありません。
「あのとき転職活動していたら」と後悔するぐらいなら、今から転職活動を始めましょう。
ITスキルの棚卸しを行う
SESエンジニアの唯一のメリットは、1つの案件に関わる期間が短いので、たくさんのプロジェクトを経験できることです。
大半のSESエンジニアは、会社都合で案件が決まるので、自分が希望しないプログラム言語の案件にもアサインされます。
そのため、SIerのエンジニアより、高度なプログラミングや幅広いIT技術を経験しています。
それらの棚卸しを行い、あなたの長所として応募書類や面接などでアピールすることにより、内定にグッと近づきます。
在職中に転職活動を行う
在職中に転職活動を行うことをオススメします。
在職中に転職活動を行い、転職先の内定が出てから退職すれば、無職になるリスクを回避できます。
在職中に転職活動することに、うしろめたさを感じる必要はありません。
あなたは引越しする時、引越し先の物件を見つけてから、今の賃貸を解約しますよね。
今の賃貸を解約してから、引越し先を探す人はいません。
転職も同じです。
転職先が決まってから、退職手続きを始めましょう。
自分が希望するIT職種、勤務地の求人を扱っている転職エージェントを利用する
- すべての転職エージェントがIT転職に強い訳ではありません。
- すべての転職エージェントが47都道府県の求人を扱っている訳ではありません。
5.おすすめの転職エージェントでは、SESエンジニアが転職に成功するための転職エージェントの選び方を解説しています。
転職エージェント選びにご利用ください。
転職エージェントのキャリアアドバイザーは、求人企業の人事担当者と情報共有しており、
・どのような人材を求めているのか。
・どのような職場環境なのか。
・人材育成・研修制度は充実しているか。
など、求人企業の情報に精通しています。
「転職したら、またツライ職場だった」ってことがないように、転職エージェントを利用して、企業の情報を収集することをオススメします。
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そのため、あなたが希望する職種・勤務地の求人を扱っている転職エージェントを利用しましょう。
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